物
語は近江商人の家に生まれた主人公・近藤大作が小学校を卒業するところからはじまる。
その日、大作は父親から祝いの言葉と共に、包を贈られる。中に入っていたのは鍋蓋だった。彼には意味がわからない。だが、そのなんの変哲もない鍋蓋が大
作の将来を決めることになる。父親は彼にそれを売ってこいというのだ。それを売ることもできないようなら商家跡継ぎにはできないと…。大作の前には商いの
心を、近江商人の魂を模索する辛苦に満ちた日々が待っていた。
店に出入りする者の家を回るが、親の威光を嵩にきた押し売りのような商いがうまくゆくはずもない。
さりとて、見知らぬ家を訪ねても、けんもほろろ、ろくに口さえきいてもらえない。 親をうらみ、買わない人々をにくむ大作…。
父が茶断ちをし、母が心で泣き、見守る周囲の人々が彼以上につらい思いをしていることに、まだ大作は気づかない。
時には甲賀売薬の行商人にならいもみ手の卑屈な演技をし、時には乞食娘をまねて、農家の老夫婦を泣き落としにかかったりもするが、しょせん、うそとまね
ごと。心のない商いは人々の反感を買うだけだ。 いつしか大作の目には涙が…。
そんなある日、農家の井戸の洗場に浮んでいる鍋をぼんやりと見つめながら、大作は疲れ切った頭で考える。その結果。。。。
売れたのである。はじめて、売れたのである。売ればわかる″といった父親の言葉の意味を大作は知る。売る者と買うものの心が通わなければ、モノは売れ
ないということを…。人の道にはずれて、商いはないということを…。
[邦画] てんびんの詩 第一部 (下元勉/DVD-ISO/3.93GB)
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